クラシックにおける、古典派以前の哀愁名曲と言えば、ダウランドの"Flow my tears"、
モンテヴェルディの"Lament d'Arianna"、ペルゴレージの"Stabat Mater"ということに
なるのでしょうか。
実に上手い具合に、この3曲ともカークビーが歌っております。ビブラートのないカー
クビーの声は、透徹した悲しみの表現に非常にマッチしており、ペルゴレージでもその
良さが 現れております。
一方で、不思議なことに、モーツァルトの"Exsultate, Jubilate"のカークビーの歌唱は、
上手だけど当方は余り感動せず、翳りのない曲には、彼女の声は余り向かないのかしら
とも思ったりします。それはそうと、"Stabat mater"では、冒頭のメロディの入り、8
曲目の急速部の2声の絡み(Bowmanの声も素晴らしい)、終曲に至るまでどこをとって
も哀愁に満ちた歌で満たされ言うことはありません。Salve Reginaも有名な曲ではない
がこれまた素晴らしい表現です。
当方はまだ所有していないが、パーセルの歌曲も翳りのあるタイプなので、購入したい
ところ。
また、それを支えるホグウッドとThe Academy of Ancient Musicも古楽オケの良い面を
出しております。氏のモーツァルトの交響曲はオケの音(特に弦)が濁っており万人に
はお勧めできませんが、このペルゴレージでは気になりません。
このペルゴレージが、「奥様女中」のような楽しい曲も書けるのだから、天才とは実に
底が知れないものです。歴史にIFはないといいますが、もう少し長生きして、ハイドン
やモーツァルトと出会っていたらと思うと興味は尽きません。