「鍵盤の獅子王」とも言われたバックハウスと質実な解釈の中にも格調高い指揮をするイッセルシュテット。そしてまだ素朴な雰囲気強く残っている頃のウィーン・フィル。この三者の最良の出会いによって産み出された録音。
傑出しているのは「皇帝」である。第1楽章の出だしから聴き手を引き込むパワーを持っている。そしてすでにこの頃年老いていたバックハウスであるが、いやいやどうして「鍵盤の獅子王」の面目躍如たる堂々としたものだ。三者の演奏はまさに「皇帝」というにふさわしい揺るぎない安定感と説得力がある。
一方、4番であるがバック八ウスは良いのだがイッセルシュテットの品の良さがここでは少し悪く出てしまったかもしれない。少しオケが遠慮気味な雰囲気がしなくもないが、十分に高レベルの演奏である。