2002年9月5・7・9日、松本市の長野県松本文化会館にてライヴ録音。この『2002年』という年は、小澤征爾氏にとって非常に重要な年で、2002年1月1日にはニュー・イャー・コンサートを日本人ではじめて指揮をまかされ、秋には29年間率いたボストン交響楽団を離れ、ウィーン国立歌劇場の音楽監督に就任したのだ。これがいかに凄いことか、そしてその小澤氏が音楽総監督になっているサイトウ・キネン・オーケストラの面々の歓びは容易に予想できる。
サイトウ・キネン・オーケストラの起源は、桐朋学園創立者の一人である斎藤秀雄の没後10年記念として1984年9月に東京・大阪で開かれた「斎藤秀雄メモリアル・コンサート」にて、斎藤の弟子であった小澤征爾と秋山和慶を中心に、国内外で活躍する斎藤の教え子たちなどが結集して臨時編成された桐朋学園斎藤秀雄メモリアル・オーケストラだ。そういった精神的な結びつきが強いオーケストラであるからなおのこと、ここでの演奏には燃えたと思える。
『ああ友よ、そんな調べではだめなのだ!
声を合わせてもっと楽しくうたおうではないか、
もっとよろこびにあふれる調べで!』
『歓喜の寄す』はまさにサイトウ・キネン・オーケストラの気持ちそのままである。すばらしい演奏だ。