6〜7年前頃にSACDを十数枚買ってみたものの、期待した音質向上が得られず(楽器の音が明確になるもののかえって空間的臨場感が失われる)、その後SACDにはほとんど興味をなくしていました。今回この曲の演奏としては最高峰と評価しているワルターの田園で評判になったBlu-spec CDがもはや手に入らなくなっているので、代わりに駄目もとのつもりでSACDを買ってみたのですが結果は全く予想外のものでした。これまでの通常のCDでは年代の古い録音故に全体的な美しい音の融合体として満足していたものが、弦、管を問わず各楽器の音色、リアリティ、定位がまことに鮮明で、空間的奥行きも顕著に表現され、オーケストラを眼前に見ているようです。特に様々な楽器が複雑に織りなす第2楽章の響きの素晴らしさは特筆に値するでしょう。半世紀以上前にこのような高品質の録音がなされていたことに驚くとともに、それを証明してくれたSACDを再評価するに至った次第です。