ティーレマン/ウィーンフィルのベートーヴェン交響曲チクルス、一部がテレビ放映されてから、DVDの発売までもかなり待たされた気がしますが、もう無理かと諦めかけていた待望のCD化がついに実現しました。ティーレマンの指揮には、賛否両論あるようですが、とにかくウィーンフィルの音色が、久々にとことんウィーンフィルっぽい(変な言い方ですが)のです。おそらく反対派の人の多くは、この演奏を斬新さや実験的意欲にかける演奏だとして非難していらっしゃるのでしょうが、逆にいえば私のような保守的な好みの人間にとっては、最新の録音でこれほど安心して典型的なベートーヴェン・典型的なウィーンフィルをたっぷり堪能できる機会は、近年めったにないことだと感じ、嬉しい限りです。先に発売されたDVDとならんで、この全集は私にとって生涯の宝となること確実です。皆さんも是非一度聴いてみてください。ただし、少しだけ残念な点として、DVDには収録されていた「コリオラン」と「エグモント」の二つの序曲が、このCDでは抜けていることがあります。収録時間からすれば、何とか詰め込むことは可能だったと思うのですが…。また、これは私の主観もあるかもしれませんが、DVDに比べるとCDの音声のほうが、ややぼやけた音に聞こえるような気がします。もしかすると、発売メーカーの違いによる音質・音色の差かもしれません。