内容(「CDジャーナル」データベースより)
ジンマン、チューリヒ・トーンハレの交響曲全集に続く、ベートーヴェン・チクルスの第2段階の第4弾は、ドイツ期待のヴァイオリニスト、テツラフを起用。きりっと締まった響きの中に暖かさも漂う注目すべき演奏。
内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)
この協奏曲のヴァイオリン・パートには3種の異稿が存在するが、通例は改訂版といえる1808年の初版譜が弾かれる。テツラフはデビュー直後の1988年に、至るところで耳慣れぬ音が鳴る手書き譜に依拠しつつ、ヨアヒムやクライスラーのカデンツァではなく、ベートーヴェン自身のピアノ編曲版を元にした自作を弾いた、ギーレンとの録音を残している。今回のこの録音では、初版譜に準じつつ、カデンツァは旧盤と同じものである。第1楽章ではティンパニを伴う、これらカデンツァそのものも聴き物だが、そこだけ遊離した印象を与えず、一貫性を保つ演奏も素晴らしい。線の細さが殊更に目立った旧盤と比べて表現ははるかに深度を増し、テツラフらしく細心さとファンタジーとが見事に共存している。なかんずく第2楽章センプレ・ペルデンドシあたりの肌理の細かさは息を飲む。精密なトレモロ、木管楽器の自発的響き等々、聴きどころを随所に用意したジンマン=トーンハレのフォローも万全だ。 (川田朔也) --- 2006年04月号