技術的に日本人女性の中で図抜けているのは以前から評価されていた部分でしたが、私自身彼女の演奏大好きですが心のどこかで「技術先行型」という印象がありました。
本作は並々ならぬ決意の元、制作に望んだとあるので殊更肩に力の入った尖った演奏を想像していたのですが聴いてびっくり。全然諏訪内晶子が全面に出ていない。
20代中盤の作品に目立った「私が主役よ!」と云わんばかりの迫力と尖った技術とセンスがなせる角が旨く収まって、ピアノとの共演を楽しんでいる。
寧ろピアノが主役で私はピアノを引き立てるのが役目と伝えてくるような音に驚きました。
今までと印象を異にしますが一番聞きやすく素直に「いい演奏だ」と思える作品です。
批評を浴びているジャケットも私はレーベルの売り方ではなく彼女の拘りではないかと感じ単純に「お、格好良いな」といかにもクラッシックっぽい演出でなく気に入ってます。
彼女レベルの演奏家なら周囲の販売戦略に振り回されなくともどうにも気に入らなければ一悶着覚悟でレーベル移籍など問題ない筈です。
だからジャケットも諏訪内晶子の作品なのだと受け止めています。