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25 人中、22人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
軽快でユニークなベートーヴェン鑑賞ガイド,
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レビュー対象商品: ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書) (新書)
ベートーヴェン評論と言えば青木やよひ氏が有名だが、現役指揮者が、しかも交響曲にだけ絞って縦横無尽の解説、というのはユニークだ。もちろん、玉木氏の金氏に対するリクエストだから、ファン代表の玉木氏にプロの金氏がウンチクを語るという構図ではある。 そうした趣旨だから、金氏は、小難しい理論だけでなく、真実か虚構かわからない多くの伝説にも触れている。ベートーヴェンに影響を受けたとされるワーグナーやブラームス、果てはショスタコーヴィチに至るまでの幅広いエピソードは、内容豊富、読者を飽きさせない。オケを前にした指揮者の心情など、内面を吐露してくれているのも新鮮だ。 とくに「7番」について、某ドラマの主題に採用されたのは有名だが、敢えてそれに触れていないのはひとつの見識と評価したい(某ドラマを貶める意図はない、念のため)。 文字だけで音楽を語るのはたしかに無謀な側面があるし、受け取りようによっては味気ないかもしれない。ことに私は音痴な上に記憶力皆無なので、せっかく五線譜を出されても頭の中で音が鳴らない(泣)。ここは素直に、最近廉価版も多い「ベートーヴェン交響曲全集」あたりをBGMに、目と耳の両面から味わいたい。 玉木氏の手になる巻末の年表も一読の価値あり。学校の授業でこういうテキストを使ってくれたら、と思う。非常に面白い“鑑賞ガイド”である。
6 人中、6人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
豊富な経験、知識、情熱、ユーモアによる優れた音楽書,
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レビュー対象商品: ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書) (新書)
本書は著者の金聖響さんの次のキャラクターから、深い洞察の上に見事に奏でられた優れたベートーヴェンの交響曲案内であり、9つの交響曲がその当時のベートーヴェンの外的・内的状況やピアノソナタ・弦楽四重奏作品を視野に入れて一曲ずつ解説されていて、それぞれに深みがあります。1.ベートーヴェンを自分の原点とするほどの強い想いと情熱を持つ 2.実績ある現役の指揮者(演奏家)である 3.ボストン大学哲学科卒で幅広い知識、客観的視点、さらに独自の視点を持つ 4.ベートーヴェンゆかりの地を訪れて得た実感覚や音楽史実を踏まえた上で洞察する 5.大阪人(出身)としてのユーモアを持つ 全体として印象に残ったのは、他の作曲家と違いベートーヴェンの全ての交響曲は一曲一曲の全てが完全に独立していて、第5番の運命は物語性を持つと同時に一音も修正する必要のない完璧な構造を持つ作品という指摘と解説でした。 楽聖ベートーヴェンとその曲に興味を持たれる方はこれ以外にも様々な驚きや発見があると思います。ベートーヴェンは良く知らないと言う方には彼とその作品を知る良いきっかけになるのではないでしょうか。 蛇足ですが、金聖響さんが千住真理子さん出演のヴァイオリン協奏曲を指揮された後に、達成感に満ちた表情でお二人が握手された姿が印象に残っています。これまでクラシックに縁がなかった方もこれを機に聖響さんや千住さんのコンサートに足を運んでみると、何か新しい音楽の発見があるかも知れません。
21 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ベートーヴェンの「圧倒的感動」に浸る,
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レビュー対象商品: ベートーヴェンの交響曲 (講談社現代新書) (新書)
音楽を言葉で解説することほど難しいものはないと思いますが、本書は、まさに真正面からそれに挑戦したものです。スポーツライター玉木正之氏との十数ページのプレトーク・アフタートークを除けば、本書はすべて1番から9番の交響曲の楽曲紹介・解説に費やされています。「クラシック音楽をもっと楽しみたい、ベートーヴェンの交響曲ともっと親しくなりたい、と思っている方々・・・へ向けてのメッセージです。」と第1章の冒頭で書いているように、クラシック愛好家なら誰でも気軽に読めます。特にベートーヴェン・ファンならば、金氏のベートーヴェンに対する敬意や思い入れに深く同調することができると思います。少々長いですが、次の文章を引用すれば、その意味がよくわかることでしょう。 「どこが凄い?と改めて訊かれたら、私でも咄嗟には言葉に困るくらいです。ただ『凄い』としかいいようがないくらい、それほど、これは美事な音楽です。異常なまでの力を感じる音楽。しかも作品として、完璧です。ひとつの究極の姿。これ以上のものは想像できない音楽。どのひとつの音も完璧に計算され、構築された完全な構造物。」(交響曲第5番の章) 言葉の限りを尽くし圧倒的なベートーヴェンへの傾倒を示した解説書。私のようなベートーヴェン・ファンにとって、これほどの至福を味わえる音楽書はありません。
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