2010年版より値下げされている予告を見たときは、ありがたいと思った。だが現物を見た瞬間、イヤな予感がした。2010年版より明らかに薄くなっているのだ。
果たして、各球団の回顧記事や、日々のできごとを綴った記録ページなどが、きれいさっぱりなくなっている。
結果、2010年版に較べて約160ページ、15%もの大減量。そりゃ安くもできるわ。
なぜこんな妙なマネをしたのだろう。
各チームの戦いぶりを簡潔に振り返った記事ひとつとっても、後々思い出す助けになるのに。
いつ誰がどこの球場でどのチーム相手にどんな記録を達成したか。それは史上何人目の記録か。何年ぶりなのか、あるいは連続の記録なのか。
はたまた、選手の移籍や背番号変更、出場選手登録・抹消情報、(あまり見たくないが)往年の名選手の訃報、なども、くどいくらい克明に記述されていたのに。
詳細をちゃんと思い出したかったら『週刊ベースボール』誌のバックナンバーをひっくり返せ、ってことか? あまりにも不親切だ。
書名の“record”は、言わずもがな「記録」の意だ。
だが、文章記事による「記録」の全滅後に残ったものは、実際の試合で厳然たる事実として積み上げられた、無味乾燥な“数字”つまり「データ“data”」がほとんど。数字に表れにくい、人間的な味わいや温もりがある話題は全て、問答無用とばかりバッサリ切り捨てられてしまっている。
そう、これではもはや、単なる“databook”も同然だ。
野球は、キカイやロボットじゃない、生身の人間がプレイするものだ。数字は、たしかに無機質で冷徹な側面もあるが、その人間(選手)が成し遂げた現実があればこそ、俄然具体性を帯び、温かみを持ってくるものではないのか。
多様な考え方があるとは承知だが、こんな編集方針変更は到底納得できない。
挟み込みハガキでの厳重抗議は当然として、敢えて本欄にも“公開質問状”の趣で書き留めておきたい。