阪神の剛腕クローザー、藤川球児の自署本。
私は20年以上プロ野球を見てきたが、彼のようなストレート投げるピッチャーは初めてだ。
「火の玉ストレート」「ストレートという魔球」などと形容されるにふさわしい、
本当に空振りがとれるストレート。
藤川はドラフト1位だが、正直入団時はストレートの早いピッチャーではなかった。
普通高卒ルーキーは球は速いがコントロール、変化球、フィールディングに難があり、
荒削り。というのが多い。
藤川というピッチャーは非常に高卒ルーキーとしては珍しいタイプで
スピードは大したことないがコントロール、球種、フィールディングなどが高レベルというタイプだった。
逆に言えば小さくまとまっており、将来それほど夢を持って見れる選手ではなかった。
しかし、2004年の終盤、2軍から上がってきた彼のピッチングを見た時の衝撃は
今でも忘れられない。常時140キロ後半を計時し、どんどん三振をとる。
これほど急にピッチングスタイルが変わるピッチャーは初めて見た。
それからの藤川の大活躍は周知の通りである。
一度は戦力外になりかけたほどのどん底を味わった後
歴代最高のストレートを編み出し、日本最高のクローザーに君臨した藤川。
その波乱万丈の野球人生はまだ道半ばながら非常に興味深い。
しかし藤川という選手はインタビューなどではそれほど饒舌ではなく、
松坂やダルビッシュに比べると面白みがない。
この本はその彼の本音が少しわかる。
あえて少しと書かせていただいたのは、やはり藤川らしい本だということ。
正直、毒舌的な内容は全くないので若干本としては面白味に欠けるかもしれない。
それもまた藤川という人物を表しているようで、よかった。
また、彼ほどのストレートを持っているととにかくドンドン投げているイメージが
あるが、実に繊細で細かく色々考えながら投げていることが垣間見える。
なんか考えすぎで大丈夫かな?と心配になるほど・・・・