医療をはじめとして社会保障の本を読みあさっているが、これくらい深くてわかりやすい本はなかった。最初から池上直己氏の本にあたっていればよかったと後悔している。本書では制度の表面的な説明にとどまらず、それまでの経緯や問題点もシンプルにわかりやすく説明しており医療を考えるうえで必読だと思う。
アメリカやフランス、ドイツといったほかの先進国の例もあげられており、日本の医療をいろんな角度からみるうえでも役立つ。統計データやコラムもテンポ良く挟まれており、「へえ〜」の連続だ。メディアでよく取り上げられる混合診療の全面解禁がなぜいけないのか、本書を読んでよくわかった。
後段で介護にも触れてあるが、ちょっとコンパクトに詰め込みすぎていると感じた。まったくの初学者には少し辛いだろう。だがタイトル通り医療がメーンなので仕方ないのかもしれない。本当に分かりやすくて読み応えのある本だと思うので、もっともっと分量と情報量を増やしたハードカバーサイズが出ないだろうか。ぜひ読んでみたい。