ゲッツ・W. ヴェルナーさんの著書、「すべての人にベーシック・インカムを―基本的人権としての所得保障について」を先に読んでいたので、対談形式の内容が多いこの本は、ある意味でとても読みやすく感じました。
しかもヴェルナーさんの受け答えは非常に知性あふれるもの。
対話「労働をマニアック視することで、みんな病気になる」で、懐疑的、既知的な古い思考の持ち主と思われる対話者の「いじわる」な質問に答えるヴェルナーさんのゆとりある態度とその内容。
古典的労働の様々な場面で機械化され、人の手を必要としなくなって行く現代の変化の中において、すでに労働と所得を結びつけて考えるのは無理がある。
今も日々ニュースに見られるが、雇用創出に相変わらず固執するパラダイムの限界が指摘される。
この人の話を訊いていると、人が過去から何を学び,正しく新しい思考を持てるか、捕われない思考の飛躍を現実にどう結びつけられるのか、興味つきない、あまり類を見ない人物だ。ヴェルナーさんが社会のことを考えるようになったきっかけはゲーテ、シラーなど古典作家の読書だという。
ヴェルナーさんは、究極の目標として「不安のない社会です」と言う、それはとてもシンプルで共感する言葉。