本書は体裁として教科書〜参考書的な体裁になっており、おそらく理系の大学
生などがその目的で読む事が多いと思われます。
ですが僕は文系の生物学素人ですので、その視点からのレビューを書きます。
本書は微生物学の基本を網羅的に捉えようとしていますので、最新の研究成果
をスキャンダラスに描くような一般書とはかなり違って、正直「面白いな」と
いった面は少ないです。
ですが、観察方法、培養方法など、知ってると生物学系の本が面白くなりそう
な内容はたくさん入っていますので、微生物学の学生になったつもりで取り組
んでみると得るものは多いと思います。
また、生化学や分子生物学関連の項目は、有機化学の化学式が山ほど出てきて
文系にはつらいですが、なんなら流し読みしてもその後の展開にはほとんど影
響しないので、分かるところだけ読んでもいいと思います。
最後の方に文系でも楽しく読める、微生物生態学や産業用微生物とその応用な
どがありますので、そこまで頑張れると読んだ甲斐が出てくると思います。
ただそれでも最低限、高校生物程度の知識はないと、分かるところが少なくな
り過ぎるので、高校で、生物学か化学をやった経験のある方が良いと思います。
問題は微生物の種名が学名でラテン語の横文字なので、種名も飛ばし読みして
しまうところです。大腸菌や酵母といった和名がある微生物は良いのですが、
それ以外は覚える気になりません。微生物学を一般に開かれた科学にするため
には和名の命名を学者さんにやって頂きたいと思いました。