まずは佐藤洋クン「素敵な二つ名の襲名おめでとう」と言わねばなるまい。今回も安定した充実振りである。地域密着だからからこそ生まれる、お互い語らずとも理解し合う暗黙の結束みたいなものをテーマにしたことが変化球で良かった。新登場のキャラもいれば前巻からの引き続きもいてバラエティ豊かになりながら、主力メンバーの役割分担も明確になりつつある。白粉さんは、もぅ思う存分好きな世界に没頭していてください。ええ。著莪あやめの、洋だけに見せる甘えんぼ振りも本シリーズの重要なスパイスになっている。前半でお役御免とばかりに後半の登場機会を失ったが、それを補ったのがまさかの槍水仙先輩。今回は先輩が超カワイイ!健気な一面を見せたり、思わぬプライベート公開といったサプライズもあって良かった。
本編は、強過ぎたがために受けた辛い過去を清算しようとする双子の解放の物語である。実は今も昔も無くならない社会問題が背景に隠された、ややシリアスな側面があり、その醜い仕打ちのトラウマに苛まれる双子(姉)の姿には狂気を感じるほど。当初はこの双子の意図することが分からず、何とも言えないもどかしさと一抹の焦燥感を覚えるのだが、少しずつ明らかになっていく過程の面白さを感じながら、クライマックスで一気に解決して盛り上がる展開を楽しめた。逃避と対決、拒絶と寛容が描かれ、かつてと正反対な行動で双子が受け入れられていく怒濤の展開がミラクルながらアツイ。今回も最後で胸がスカッとする心地よい結末である。
余談だが、本巻でもやっぱり出てくる佐藤(父)の武勇伝。今回も○○○○絡みの強烈なエピソードである。このお父さん素敵過ぎ。あと表紙裏の主要登場人物にある最下段の人物に限り頭に『筋肉刑事で』との注釈を要する。これだけ笑える本編以外にもネタが仕込まれている。