本巻の見どころは何と言っても従姉、「湖の麗人」こと【著莪あやめ】である。金髪碧眼で巨乳の眼鏡っ娘。この重ねられた属性と主人公【佐藤洋】に絡む、文字通りに絡む無自覚フェロモン放出振りは何とも言えない魅力。それでいて竹を割ったような性格、とりわけ洋には容赦の無い傍若無人な振舞い。従姉ならではの、洋だけに見せる気の許した態度が大変好ましく、彼女の説明だけでレビューを終わりたいくらいである。特に洋を後ろに乗せてバイクを飛ばしている時の彼女のモノローグは、従姉として、女として、洋と接する際の微妙に揺れ動く、友情と愛情の中間のような心情が吐露されていて良かった。その愛情寄りの部分を鋭く指摘する【白粉】も何気にグッジョブである。どちらかと言うと洋と【槍水仙】先輩との関係が師弟というか憧れみたいなところにあるので、本作に不足のラヴ成分をこの2人が補ってくれるとさらに面白くなろう。その槍水仙先輩の凄さをあやめも知らされる展開が秀逸だった。この世界に存在する暗黙のルール。これを守る尊さと破る愚かさ、破る者に対する断固とした態度。こうした毅然とした振る舞いを見せられて、あやめが次第に自分の未熟さを自覚していく流れは読んでて心地よい。その先にある決戦も読み応え充分で結果も申し分無し。次巻が待ち遠しい。