ヨーロッパ三部作という、この一連、マッスルジョーンズ、ベルリン、と旅をして、ついにはパリ録音である。
海外録音盤と言っても、当時は日本円がエラかった。
アイドルちゃんのような歌手でも、ロスでもロンドンでも行って、
現地ミュージシャンと録音するというのはよくある話だったのだが、
日本ニューウェーヴ界(はず、死語)の隠れドンたるトノバン氏のそれは、楽団を引き連れて合宿するのだから半端無い。
封入のご本人筆のライナーにはその辺のくだりがあって、いきなり、ベルリンでは「細野くんが.......」
ほその「くん」ですよ、あの傲慢なタツロー氏でさえはばかる巨人オータキさんでさえ、元のバンドメンバーである氏を「さん」付けで呼ばわっていたはずであり、
かの、ハリー氏を「くん」づけで呼んで、最も忙しかったであろう80年代に世界を連れ回せるのはやはりこのトノバン氏しかありえないのである!
閑話休題、この世界合宿旅行三部作中の最終編たる本作がもっとも豪華絢爛たる、ユーロテイストが極まっているといえよう。
こういう酔狂というか、三昧というか、おそらく夫婦共稼ぎのなせる技ではないか。こういう夫婦だからこそ「かるいごちそ〜パンとチーズとサントリーワイ〜ン」が活きてくる。
かっこいい、おじさんでした、加藤さん。
おそらく20年ぶりに聴いた、と思われる。
いま聴いてみると、
American BerはYMOのC-Moonであり、ネグレスコでのご発展はHAPPY END、浮気なGIGIはバレエまたは音楽の計画または千のナイフであり、激しくYMOが香っている。やはり、影のドンなのである。