ルー・リードのソロ3作目『ベルリン』。
前作『トランスフォーマー』の華やかなイメージとは打って変わり、暗く悲しい物語を描いたトータル・アルバムとなっていて、青年ジムと娼婦キャロラインを中心に物語は進んでいきます。
曲自体も、歌詞とは裏腹にポップな「キャロラインのはなし(1)」や「暗い感覚」、後半子供の泣き声がかぶさるアコースティックな曲「子供たち」、ドラマティックで美しい「悲しみの歌」など魅力的なものが多いです。しかし、やはり歌詞を理解した上で聴いた方がいいので、本作は訳の付いた国内盤がおすすめです。とくに後半の、「キャロラインのはなし(2)」からラストの「悲しみの歌」の流れは歌詞を読みながら聴くと、切なく胸が締め付けられる思いがします。
また、紙ジャケはE式シングルジャケになっていて、独特な紙質が再現されています。解説、対訳が載っているブックレットとは別に、曲ごとにその物語のワンシーンを写した写真が載っているブックレットも付いています。キャロラインが自殺する「ベッド」の、血の付いたベッドの写真はこの切ない物語を象徴しています。
陽気で明るい音楽を求めている方に本作はおすすめできません。癒しを求めている方にも薦められません。
イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』のような切なく美しい音楽を求めている方におすすめします。