莫大な借金を背負ったサラリーマン主人公が
セレブでワガママな美少女に振り回されるままにひたすら体を重ねていく、
と説明してしまうと単なるお手軽H系マンガでしかないのだが、
実際に読んでみるとなぜか先が気になる。
本編の絵も、表紙どおりとまではいかないものの、期待を裏切られることはないはず。
描線の細さは二宮ひかる的でそれよりもやや萌え寄り。
1巻ではヒロインやその取り巻きの素性の多くは明かされないまま、
キャラと状況描写だけを頼りにストーリー(とHシーン)が展開されていく。
一歩間違うと脈絡なくただHシーンが並んでいるだけになるところ、
登場人物同士の衝突や利害関係に起因する緊張感が雰囲気を引き締めており、
作品全体に頽廃的かつミステリアスなある種の魅力を醸成しているようである。
成人指定がついていないことを考えれば、十分なほどエロチック。
一時は書店でもAmazonでも品薄で入手困難だったが、見かけた人は
お財布に余裕があるなら一読してみるのもいいだろう。
果たしてこの雰囲気は作者の計算に基づくものか、それとも偶然なのか。
評価を得るか、それとも空気のような存在感のない作品になるか、今後の展開を見守りたい。