いろいろ抽象的かつ独自の解釈も含まれるレビューです。
2人の間で曖昧にしてきたこと、また、最初の頃から変わったものを変えないままにしてきたこと、そして、自分自身も知らないことを知らないままにしてきたこと。それゆえに生まれたすれ違いがあまりに切なかった。しかし、花乃子がそれを少しずつでも正していこうとし始めているように思えた第2巻。
作中において花乃子は決していい子ではない。むしろ、ワガママでインモラルな悪い子。しかし、ワガママ放題が許されている環境にいながら、それに満たされていないことも自覚して苦しんでいるように見える。むしろ、苦しんでいると断言したいくらい。
また、それらの表情の一つ一つ、仕草の一つ一つ、セリフの一つ一つをしっかりと描き出している作者は本当にすごいと思う。
そして、タイトルにある「キス」について。2巻で出てきました。予想もしない形で、また、予想以上に胸に響く形で。花乃子に深く感情移入するとともに、この先再びキスをするとき、二人の間にある溝、花乃子が埋めようとし、新田さんやその周辺の人が逆に深めかねない行動を取り始める中、先が待ち遠しくて焦がれる展開でした。
最後に一言。石塚さんにも立場があることと思うけど、せめて彼は味方であって欲しいと願ってやみません。