仮に3ヶ月に1回のペースで新刊が出ているならこれほどの批判は出てこない。
高校生の頃、黄金時代~蝕を読んで衝撃を受けた自分もすでに社会人になり、三十路を超え、当然環境も考え方も変化しながら生きているというのに、当の物語の中のキャラたちは未だ同じ目的のまま、終わりの見えない旅を続ける有様。にも関わらず、ガッツがあの頃感じたグリフィスへの怒りや鷹の団を失った悲しみを、作者自身が維持できているとは、絵やセリフを見る限りは到底思えない。いや、読んでいる我々だって、旅の目的すらすでに忘れかけてる。この巻の海神の描写にしても圧倒されるような画も展開もなかった。
長期連載の難しさは一定の温度を長年保てるかどうかだと思うが、人は誰だって成長していく。成長するにつれて旅の目的も変わっていく。現実の世界で十数年以上前に描いた悲劇の復讐を、この先、同じテンションで描けるわけがない。作者だって変わっていくのだから。ただ、高校生の時に興奮して読んだあのベルセルクはもう帰ってこないと思うと、やっぱりさみしい。