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ベルカ、吠えないのか? (文春文庫)
 
 

ベルカ、吠えないのか? (文春文庫) [文庫]

古川 日出男
5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (50件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

キスカ島に残された四頭の軍用犬北・正勇・勝・エクスプロージョン。彼らを始祖として交配と混血を繰りかえし繁殖した無数のイヌが国境も海峡も思想も越境し、“戦争の世紀=20世紀”を駆けぬける。炸裂する言葉のスピードと熱が衝撃的な、エンタテインメントと純文学の幸福なハイブリッド。文庫版あとがきとイヌ系図を新に収録。

内容(「MARC」データベースより)

1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて-。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった! --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。

登録情報

  • 文庫: 394ページ
  • 出版社: 文藝春秋 (2008/5/9)
  • ISBN-10: 4167717727
  • ISBN-13: 978-4167717728
  • 発売日: 2008/5/9
  • 商品の寸法: 15 x 10.6 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.2  レビューをすべて見る (50件のカスタマーレビュー)
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33 人中、28人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 壮大な血統絵巻, 2005/12/30
神の視点でつづられる、壮大な犬の歴史物語。

4頭の軍用犬から派生する様々な物語が語られます。あるものは狼と交配し、

あるものは純潔を保ち美を極める。またあるもの麻薬探知犬となり、戦闘を

極める犬もいる。さらには宇宙へ飛び出し、伝説となる犬もいる。

独特の筆致で描かれる多種多様な犬達の人生は非常に興味深く、読者は血統

という壮大な歴史を一瞬のうちに追体験するのです。

果てしなく続く血の物語はどれも感動的で、類似の作品は読んだ事がありま

せん。貴重な体験でした。
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20 人中、17人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0 ありうべきもうひとつの20世紀史, 2005/11/15
By 
第二次世界大戦から東西冷戦を経由し、ソ連邦の崩壊とその後の混乱で閉じたあの戦争の世紀を、「近代兵器」として運命を翻弄されたイヌたちに焦点を当て、ありうべきもうひとつの20世紀史として描き出した傑作。

物語は1990年代のとある冬の日、シベリアの森の中で、防寒具に全身を固めた若い男が、人里離れた一件の人家に辿り着くことから始まる。
この近過去の物語を横糸に、そして、1943年のアリューシャン列島、キスカ島/神鳴島に日本軍が置き去りにした四頭の軍用犬たちの血統が紡ぐ数奇な運命を縦糸にして、二つの物語が交互に縒られ、USA、ソ連邦/ロシア、アラスカ、日本、韓国、朝鮮、中国、ヴェトナム、メキシコ、ハワイ、サモア、アフガニスタン、等々、舞台を転々としながら、米軍、KGB、ヤクザ、各国のマフィア、ゲリラといった人間たちとイヌたちのそれぞれの流血と生存の戦いが一大絵巻として織りなされていく。
後半、二つの物語は一気に収斂し、クライマックスでの沈黙の市街戦と、そこから一転しての殺戮劇(それはさながらパリ・コミューンの顛末をも想起させる)、そして。
生き延びた者たちは我知らず、この物語の円環を閉じんとするだろう。それがどのようなものであるのかは、是非一読して確かめて欲しい。

「人間」の登場人物たちには徹底した観察者の視点から記述しながらも、イヌたちには「お前」と呼びかける語り手によるナレーション(ときに脱線したかのように、当のイヌたちと物語の中で対話を始めるのはご愛敬か?)が地の文を支え、無駄のない硬質な筆致で進むストーリーは、読者を飽きさせることなく一気に読ませる。
内容、タイトルはもちろん、装幀も秀逸。

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14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0 果てしなき軍用犬クロニクル, 2005/12/19
By 
竹の梯子 - レビューをすべて見る
(VINEメンバー)   
読了後、犬たちには名前があるのに、人間たちには人称代名詞しか与えられていないことに気づく。そう、これは犬たちが主人公の壮絶な物語なのだ。彼らは軍用犬である。よって人間界の政治や戦争などに大きく翻弄される。はじまりは、太平洋戦争の片隅、北極圏に近いアリーシャン列島のある島で日本軍に置き去りにされた4頭の犬たちだ。彼らは数奇な運命を辿り、「系統樹/子孫」を世界中に残すことになった。冷戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガン戦争、ソ連崩壊・・・様々な歴史の舞台に犬たちは、いる。そのとき、彼らはどこにいるのか? 何をしているのか? 独特な熱い文体、抑制された擬人化で描き出される。そこには大きな運命の円環があった。途方も無い小説だ。
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