ラール人惑星から次元トンネルの航行に必要な特殊装置ベラグスコルスを奪取せんと勇躍出撃するテラナーの活躍を描く大長編SFスペース・オペラ宇宙英雄ローダン・シリーズ第366巻。本巻の執筆者は、お馴染み重鎮フォルツと曲者クナイフェルです。ハルト人イホ・トロトの突然の変調は笑い事でない深刻な一大事で、寿命に達し子孫を残して死のうとする前触れであった。秘密を知ったマスクの男アラスカは悩み迷いながら結局はローダンに真実を告げられずに過酷な任務へと赴きます。
『ベラグスコルス強奪』ウィリアム・フォルツ著:お遊びを封印し何時になく真剣なグッキーの活躍でツグマーコン船を拿捕した一行は、ラール人の惑星ヴォルターハーゲンに飛ぶ。とても不可能な作戦を何とかねじ伏せるテラナーのしぶとさには何時も本当に感心させられます。本編のラストはトロトにとり実に悲痛ですが、反面彼のファンには気の毒ながら密かにホッとする結末と言えるでしょう。『免疫保持者の蜂起』ハンス・クナイフェル著:3580年7月ブルがまだアフィリカーの国家主席だった頃に、大いなる黒いゼロの脅威に備え地球に残ろうとする不屈派と別惑星に逃れようとする逃避派の二派合同による調査艦隊がバジンスキー星団へと赴く。本編では平和な小人種族デューケスと2人の免疫保持者が組んでアフィリカーの正常化に努めますが、最後には人間の恐ろしさを如実に示す破滅が待っています。
本巻の翻訳者、天沼春樹氏のあとがきは今年8月に行われたイベント「ツェッペリン伯号飛来八十周年記念フライト」の興味深い体験記です。次巻も本書後半に続いてアフィリカーの支配する地球編になる模様です。アフィリー・サイクルは3つの異なる世界が交互に描かれる為に頭を切り替えるのが大変で、まだまだ結末が見えず長期戦になりそうですが、来年からは月2冊刊行でストーリー展開が加速しスピード・アップされる事を期待しています。