旅に出るとき、特に海外旅行の場合、たいていの人が、ガイドブックを持参すると思うが、このような旅行記を持って旅に出るのもまたおもしろい。自由な視角と率直な感想、時にガイドブックには書けないピリッとしたひと言に、共感を覚える人も多いにちがいない。たまたま私はオランダを幾度となく訪れたので、読みつつ思わずにんまりしたり、そういう見方もあるかと記憶を呼び覚ましてみたり、楽しく読ませていただいた。筆者夫妻は、膨大な量の写真を撮り続けたと思うが、本書にはそのごく一部しか掲載していない。絵や写真で説明するほうが手っ取り早いが、これはガイドブックではない。見て聞いて感じたことを歯切れよい文章で伝えてくれる。どんな二人が異国の街を歩き回っているのだろうかと想像しつつ、読み進んでしまう。