本書は時間軸に沿ってベトナム戦争における出来事をたどっていったものではない。六つの章にわかれており、それぞれの章を通して異なった(だが密接にからみあった)視点からベトナム戦争が描かれている。
そのような形式をとることによって、ベトナム戦争に関してあまり知識がない私のような者には、ところどころ理解しづらいところがあるのは事実である。しかし、本書はそのような形式をとることによって論旨はむしろ極めて鮮明になっており、少なくとも筆者の言いたいことが何なのかはきわめて容易に理解できる。
他のベトナム戦争の通史のようなものと併読することにより、本書はよりよく理解できるであろう。また、本書の続編ともいえる「ベトナム症候群」もオススメである。