16年前の著者を知る者です。★の数は贔屓目もあるかもしれません。
農業がやりたい、ベトナムが好きだ、まだ20代で若い(ので挑戦する)と言っていた勇ましい著者のことを、ハラハラしながら見ておりました。
研究者であった彼女のベトナム留学記が「論文の下書き」ではなく、感性が捉えたことを中心として書かれたエッセイであったことを嬉しく思います。
おわりに、では、近年の日本社会の変化、既存の価値観の崩壊などに触れていました。明るく楽観的な彼女の人柄からは思いもよらないことで驚きを感じるとともに、私の住む同じ社会に戻ってきたのだなという安堵感も感じました。
イゥ・ドーイというベトナム語は、著者のお気に入りの言葉で「人生を愛する」「人生を楽しむ」という意味だそうです。
現実は厳しく、人生を楽しむことは容易ではないと思うことが多い昨今ですが、だからこそ、愛することを選択していく(あるいは別の選択をする)責任が私達にはあるのだな、と、そんなことを思い出させてくれる一冊です。