73年発表。ジェフ・ベック率いるスーパー・バンド、ベック・ボガート&アピスの唯一のオリジナル・アルバム。
ジェフ・ベックについて、有名な『ブロウ・バイ・ブロウ』や『ワイアード』を聴くとフュージョン的なギタリストというイメージを持ちますが、本作で聴けるのは完全なハード・ロックです。トリオということでクリームと比べられることが多いですが、この圧倒的なアグレッシブさはパープルやツェッペリンにも匹敵する迫力です。
ジェフのスライドがうねり狂う「黒猫の叫び」をはじめ、リフと重厚ドラムがカッコよすぎる「迷信」、ブギウギな「ホワイ・シュッド・アイ・ケアー」等、攻撃的なハード・ロックが並ぶ一方、コーラスが美しく、しっとり聴かせる「オー・トゥ・ラヴ・ユー」、ジェフのアコギが聴けるカントリー・ナンバー「スウィート・スウィート・サレンダー」、ラストを飾るバラード「アイム・ソー・プラウド」等、落ち着いた曲もバランス良く収録されています。
ジェフのギターと重厚リズム隊が目立ってしまって、ボーカルの影が薄い点でクリームやツェッペリンより評価が低くなっているようですが、「アイム・ソー・プラウド」などのソウルフルなボーカルや美しいコーラスは十分評価されるべきだと思います。ジェフ・ベックの作品はギター・ファン以外には敬遠されがちですが、本作はそれ以外のロック・ファンの方にもお薦めです。特にツェッペリン等のハード・ロック・ファンの方には絶対オススメです。これを聴いてペイジ派からベック派に変わるなんてこともあるかもしれませんよ(笑)。
また、2004年リマスターで音質・音圧ともに申し分無しです。とくに「迷信」のイントロ等ボリューム大き過ぎるくらいの音圧です。