わずか2年弱の活動期間ながら、クリームとジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスと並んでロックが生んだ「最高のトリオ」であるBB&Aの唯一のライブ作品です。1973年5月18日と19日、大阪厚生年金会館で行われた記念すべき初来日公演の模様を収めたもの。なぜか日本限定発売ということで、海外のベックファンにとって垂涎の的、プレミアがプレミアを呼ぶという傑作です。
多くの方が指摘するように、このアルバムはライブ作品としては決して完成度は高くありません。それは録音状態であったり、外しまくるティム・ボガートのベースであったり、なかなか合わないボガートとアピスのコーラスだったりと、いちいち指摘し出すと数えきれないほどの欠点を抱えています。ベックですら何度もミストーンを連発しています。確かに完成度の点で、日本限定発売になってしまった理由も分からないでもありません。しかし、そんな「いちゃもん」も、作品全体からあふれ出る強烈なエネルギーを前にしては、すべてが無力化してしまいます。圧倒的な音の圧力に触れてしまうと、たとえ音が外れようが、コーラスが合わなくても、すべてを許容させてしまう圧倒的なエナジーにあふれています。生々しい演奏からビンビンに伝わってくるほとばしるエネルギーに黙って身を委ねましょう。私はリアルタイムでその場に居合わせた人達がうらやましくてたまりません。特に「I'm so proud」から「Lady」に移行するあたりで聴かれるベックの激しいカッティングは、発売後30年以上経ったいまでも、聴く者をゾクゾクさせてくれます。
音にこだわる方には、リマスター盤も出ていますから、そちらをお勧めいたします!