10歳の誕生日。ベッキーの喜びにあふれた一日があますところなく描かれています。
夏の一日。朝の光に祝福されて目をさまし、満月が夜空にかかるまで、ベッキーへの
お祝いは続きます。
誰もが1年に1日だけ持つ、特別な日。
生まれてきたことを、家族や友人から祝福され、喜びにみたされてすごす日。
日の長い季節柄、ベッキーへのサプライズは、お友達を招いてのピクニック・バースデー
パーティーでした。
川のほとりで歌を贈られ、楽しい遊びをし、なんといっても圧巻は、バースデーケーキが
とんでもないところから現れるシーンです。
幻想的で美しい、そして贈る側の演出の心憎さに、絵を見る私もため息がでます。
「魔法のようにすてきな10歳のおたんじょうびのこと、一生わすれないわ」と、ベッキーは
おかあさんに言います。
こんなふうに全力で愛されて育った子どもは、それを生きる力にできるのだろうなと
つよく感じました。
愛された記憶が子どもの支えになることはまちがいありません。自分のことを
ちゃんと見つめてくれ、受けとめてくれる人がいると知るからです。
だからこそ、10歳になった日の朝、ベッキーは「ひとりでできることは、ひとりでするの、
きょうからは。」と、けなげな決意をするのです。
家族愛のひとつのかたちをおどろきとともに深く感じた物語でした。