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社会問題は、政治、経済、個人信条など様々な切り口がごっちゃなまま語られることが多く、主張の行き違いがその前提の不一致によって生じていることも多いと思われる。その点、本書で展開される議論は経済学に基づいており、幅広い社会問題を一貫した前提で扱っているので、説得力がある。
おもしろいのは、経済学という確立したフレームで物事を詰めて考えていくと、しばしば独自性のある答えに行き着くことだ。例えば、アメリカの所得格差問題への解釈だ。所得格差が拡大したのは、企業が技能労働者の獲得を巡って競争した結果、彼らの給与が上がったためだ。それを教育や訓練や経験への投資リターンが高まったと考える。つまり所得格差の拡大は、教育の効果を証明していると解釈するのである。
示唆に富む内容はおもしろいが、もともとの文章がビジネスウィークに掲載されたコラムであるため、経済学的な説明や証明がなく、物足りない。もう少し突っ込んだ内容を知りたいと思った。
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