ある夜警察官に職務質問された男が言うには「20年前にここで分かれた友人と再会しようと約束しましてね・・・」のAfter Twenty Yearsをはじめ「こんな寒空で暮らしているよりもいっそのこと・・・」というThe Cop and the Anthem。改心して二度と・・という元金庫破りに幸せが訪れ結婚も迫ったある日、子供が金庫の・・・というA Retrieved Reformation 。どれも一流の筋立てで読む人の心をはなしません。「アメリカのモーパッサン」(本人はこう称されるのを嫌っていたと言われていますが)と呼ばれる短編の天才でぜひお薦めしたいです。昔私たちが高校生の頃は彼の作品がretoldで教科書に載っていたり、副読本で徹底的に読まされたりしました。今は高校の教科書で文学作品を取り上げたり夏の補講で集中的に物語を読むこともそう盛んではないようですね。ところでなぜretoldなのか、大人になってわかりました。英語が予想に反して(あまりにもおもしろい=すらすら日本語で飛ぶようにページをめくる=英語も易しい って勝手に思いこんでいたのですが)難しいんです。文の結びつきも複雑な部分があったり、単語や熟語もあまり見かけないようなものが続出したり言い回しもしゃれていたり・・・そこでこのシリーズの登場です。やはりどうせ「短編の天才」を読むには原文で、と思います。ルビを頼りに十二分に原作を味わうことができます。学習者にとって本当にありがたい本です。ただしあくまでも「ストーリーを英語で楽しむ」もので文の構造や単語熟語などに注目して英語そのものも学ぶ、すなわち精読するためには当然のことですが腰を据えてじっくり辞書をひきこんで勉強しなくてはなりませんが。