1960年代後半、日本ではビートルズ旋風が吹き荒れましたが、当時ボサ・ノヴァの音楽を伝えてきたのは、このセルジオ・メンデス&ブラジル66でした。ジャズ・ピアニストだったセル・メンは、ハーブ・アルパートのプロデュースを受けてデビューしました。彼らの音楽からはボサ・ノヴァとロックの見事な融合を聞くことができます。
代表曲でもある「マシュ・ケ・ナダ」は説明不要の名曲です。多彩なパーカッションを擁し、この軽やかな音楽はとても新鮮でした。
「ワン・ノート・サンバ/スパニッシュ・フリー」も2分足らずの曲ですが、中間部の間奏がオシャレなアレンジで楽しめます。
「フール・オン・ザ・ヒル」を最初に聴いた時、新しい時代のサウンドの到来を感じました。ビートルズのカバーですがこちらの方がヒットし、お菓子メーカーのCMにイントロ部分が使われたこともあり、耳馴染みの音楽になっています。デイヴ・グルーシンのアレンジが冴え、ハーブ・アルパートがエンジニアを務めるなど充実したサポートもあり、心地よいサウンドに仕上がっています。
バート・バカラックの名曲「恋のおもかげ」もこのアレンジが一番ステキですね。ボサ・ノヴァとの幸せな出会いがこのような優れた作品を生み出したのでしょう。
「プリティ・ワールド」もお気に入りです。彼らのオリジナル曲で愛らしいラヴ・ソングです。軽やかさと伸びやかさを感じさせる曲で1969年のヒット・チャートにランク・インしました。
全般的に良い選曲ですし、佐藤英輔氏のライナーノーツも参考になりました。