カンサスはアメリカのプログレの先駆的バンドのひとつである一方、名曲、全ては風の中に(Dust In The Wind), 伝承(Carry On Wayward Son)でも親しまれているようにアメリカ中西部特有のポップ・ロックのセンスを見事に表現したバンドである。ボストン、スティックス同様、プログレを親しみやすい大衆的音楽へと昇華させた点は評価してもいいだろう。前半部分はカンサスのポップ性が強調されている。特に炎の欲望、プレイ・ザット・ゲーム・トゥナイトは、ジャーニーやサバイバーが得意とするメロディック・ロックの典型的ポップ・ロックのスタイルでジョン・エレファンテ時代のカンサスを象徴している。また、バイオリンを巧みに使い中世バロック的ムードをロックに表現した、No One Togetherをはじめとする数々の傑作曲はこれでは足りないくらいだが存在感を出している。87年に再結成してからも数々の優れた作品を世に出しているカンサスだがこれは84年の作品なのでいわばクラッシック・カンサス傑作選と呼ぶべき性格のものであろう。