田舎で牧羊犬ならぬ牧羊豚の仕事をしてきたベイブが、大都会に行って大騒動に巻き込まれる話です。最初は子供のためにと思ってみせていた親達が、うっかり引き込まれるほど大変面白い映画です。大人にとっても十分に楽しく見れる映画です。動物映画嫌いな妻でさえ、熱中したくらいです。
無許可で、動物同伴OKのホテルを大都市で隠れて営業している未亡人というのは意外に欧米では現実味があり、必ずしも荒唐無稽な設定ではありません。自分を殺すために追いかけてきた獰猛な犬が、一転して溺死しそうになると、助けに戻るというベイブの優しさは感動的でさえあり、大人でも落涙する人がいるかもしれません。この優しさゆえにベイブは動物達の指導者になるわけですが、人間の世界でもこうであればという素朴な願望を子供達に抱かせ、子供達の心がしっとり潤うはずです。
監督は、都会と田舎の違いを熟知しており、ユーモアの精神にも溢れ、それが何とも言えない楽しさをこの作品に与えています。犬には詳しくないのですが、毛をピンクに染め、背が高く、首の長い犬が「私は主人に愛されたのですが、年をとり、別の若い犬が来てからは愛されなく、捨てられたのです。私を救って下さい」とベイブに哀願する様子には、爆笑してしまいました。まるで捨てられた愛人のセリフそのものです。実際、ヨーロッパには主人の気まぐれから捨てられる動物達が毎年沢山おり、決して絵空事ではないように感じます。
子供でも、大人でも楽しめる、珍しい娯楽作品ということで4つ星にしました。