■概評
神奈川県ジュニア・対宮川戦と数話、読切を収録した本巻。
エーちゃんの成長を描きつつ、宮川の心理描写を丁寧に描いていて両方を応援したくなる上手い構成が見どころ。
■ストーリー
エーちゃんの武器が宮川のそれを上回り、宮川が追い詰められ……というのが主な試合運び。
先ほども書きましたが、両者を応援したくなる素晴らしい描写力。
そこに将来や進路と言った話を上手に組み込んでいるのは感服の一言。
数話跨ぎで描かれた試合こそ一試合ですが、そこに込められたものは多く非常に満足行く巻となっています。
■登場人物
出番は少ないながらもなっちゃんがいい味を出しています。
同じ道を歩んでいるけど、現在進行形でエーちゃんが体験していることをあらかた経験しているのでいい道標に。
「見つめ合う二人よりも遠い所にある同じ一点を見てる二人のほうがはるかに強い愛と絆で結ばれている」
という言葉を聞いたことがあるのですが、この二人はまさにそれだと感じます。
メインのテニスの描写はもちろん、恋愛という面で見てもマガジンで一、二を争う出来です。
■作画
特別上手いわけではないのですが、場面場面での適当な描写が人物の心情や状態を上手く表わしています。
加えて当初に比べ上手になったのはもちろん、登場人物が全体的にスマートになったような気がします。
毎日テニスしているのですから当然なのですが、そこまでしっかり描かれているのは嬉しい限りです。
またSDが上手いです。必見。
■その他
何故あんないいシーンで宮川はあんないい顔をしているのでしょう(笑)
余談ですが扉絵に諭吉。おまけページも諭吉。
作者さんが各キャラに愛着を持って描いていることが伝わってきます。
■総括
10巻(アレックス戦)に並ぶ熱い話が展開され十分に満足。
雌伏の時間が長いだけにここでの爆発は実に爽快。
また引きではなっちゃんとの試合という実にこの作品らしい展開が為されています。次巻も楽しみですね。