かつてVHSで発売されたことのある88−89年のベイト・ノアール・ツァーと2002年のフェリーのソロ名義(?)の2002年ミュンヘン・コンサート(これまで未リリース)を合体させた作品。このうち前者は実はボーイズ・アンド・ガールズ・ツァーと呼んだ方がふさわしいのではないかと思うほど同作の曲が多く、ロキシー・ミュージック定番の曲も多い。ベイト・ノアールからの曲は2曲だけである。一番の聴きものはやはりスレイヴ・トゥ・ライヴ。この名曲のライヴ演奏をフェリー80年代の声で楽しめるのは嬉しい限りだ。アンディ・ニューマークのドラムも派手にきまっている。ロキシーの他のメンバーは参加していないが、アヴァロンで魅惑のバック・ヴォーカルをつとめたヤニック・エティエンヌが同曲で同じように素晴しい声を披露する。映像はVHS時代の質感だが悪くはない。音は5.1chサラウンド。
2002年ライヴの方は、ロキシー再々結成時のライヴ・アット・アポロ2001のメンバーからフィル・マンザネラとアンディ・マッケイが抜け、他のミュージシャンで補充した顔ぶれ。従って、クリス・スペディング、ポール・トンプソンだけでなく、女性ヴァイオリニストのルーシー・ウィルキンス、パーカッションのジュリア・ソーントンがライヴ・アット・アポロのときのように活躍する。こちらでも、スレイヴ・トゥ・ラヴが聴けるので、十数年を隔てた同曲のライヴ演奏を比較できる。フェリーのソロ・アルバム「フランティック」収録のボブ・ディランのカヴァー2曲の演奏も聞き逃せない。
以上、本作はロキシーまたはブライアン・フェリーのファンには満足のいく作品だと思う。