話の発端は、一昔前の聖書を映画化したものと印象が似ている感じがしました。女神の美貌争いをほぼ伝承どおりに描いているので、この部分はおとぎ話っぽかった。
しかしそのあとの、なぜへレンが傾国の美女となったかとか、パリスとの出会いとか、やや冗長な感じもしますがきちんと描かれていました。オデュッセウスの智将ぶり(弁が立つところ)、メネラウスの苦悩、後に引けなくなったアガメムノンの執拗さなど、人物の描写も丁寧。アキレスがただの筋肉バカだったのはちょっと残念でしたが。ヘクトルのことももう少し取り上げて欲しかった。
超スペクタクルだった映画版「トロイ」の戦闘シーンの迫力には確かに負けますが、人間関係をじっくり見たければこちらのほうが面白いようにも思います。映画ではあっという間に終わってしまったような感じがする戦争の長さは、こちらのほうが実感できます。
プリアモスに「ロード・オブ・ザ・リング」のギムリ役のジョン・リス・デイヴィスが配されているのもよかった。ルーファス・シーウェルのアガメムノンは、鬼気迫る凄さです。
(個人的にはこれのオデュッセウスをショーン・ビーンで見られたら最高だったんですが)
終盤、アガメムノンが殺されるところは正直、息を呑みました。ラストのまとめ方もきれいです。
本当は映画と比べながら見るものではないかもしれませんが、DVD発売の時期が時期だったのでつい見比べてしまいました。
ともあれ、見ておいて損はない作品だと思います。