アメコミ物に少々飽食気味で辟易してきたところで、「またか」という人たちも多いことでしょう。私もその一人でした。しかし、この作品は何かが違う。ほかの作品とは何かが違う。つまるところは作り手の作品に対する愛情ではないかと思います。
原作は知らないのでなんともいえませんが、キャラクターがまず魅力的。主役のヘルボーイが実に面白い。巨漢の赤い肌を持つ怪力男。ちょんまげは?(笑)ですが、葉巻プカプカと、昔のヒーロー像を思い浮かべるようなキャラ。豪快なのに愛する女性にはとても不器用で、育ての親である教授への愛情と、人間以上に人間臭いその造形は、古い方ながら最近では逆に新鮮に感じられるものでした。
他にも登場人物も魅力満載。怪人たちもさることながら、なんか彼らの存在をあっさりと受け入れて同胞としているFBI職員には妙に笑えた。やな感じのFBI長官も最後にはヘルボーイと和解と、あんがい人間ドラマがいい感じなのでした。
惜しむべきは、やや敵役がいまひとつといったところ。ねじ仕掛けのナチスの殺し屋は面白かったのですが、ラスプーチンは消化不良。ラストのバケモノがいきなり現れるのも強引だし、そもそもお話が妙に神話しているのが、描きこみ不足で空回りしているのが残念なところでした。
しかしながら、見ていて面白いのは確か。スカッと気持ちよくなりたいアクション映画が見たいのなら、今のおすすめはこの「ヘルボーイ」です。