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りりこをスカウトして、美しく変貌させたモデル事務所の社長。ひどい仕打ちをされても、りりこから離れられないマネージャーとその恋人。生まれながらに美しいがゆえに、美に執着しない15歳の新人モデル。最後まで、りりこを美しく仕上げることに全力を注ぐメーク担当者。ある事件を追いかけるうちにりりこに出会い、シンパシーを感じ始める検事。りりこをとりまく人々も絶妙に配置され、この物語を重層的で刺激的なものにしている。
醜かった主人公が美しく生まれ変わり、成功をおさめる。たくさんの物語で描かれてきた、わかりやすくてドラマチックなその過程は、本書ではほんの少し触れられているにすぎない。はじめからりりこは美しく成功の真っ只中にいて、彼女の向う先は破滅でしかないという不穏な空気が、物語の最初から濃厚に漂う。その破滅の過程を、著者は、息苦しくなるほど丹念に描いていく。最終章で描かれる、りりこの決着のつけ方は壮絶であるが、そこに含まれる不思議な「明るさ」のようなものが、読者の心をとらえて放さない。(門倉紫麻)
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普通の整形ストーリーはブスな子が整形をして美人になる過程が描かれるが、ここでは主人公はすでに美しく、人気の絶頂にある。(ブスだった頃の顔が一コマも出てこないのには感心した)確かに、美人になってめでたしめでたし、というおとぎ話には私たちは何の説得力も感じない。そこからどう生きるか、により関心がある。
主人公のりりこは美しくなるために体に極限まで負担をかけているため、精神と肉体がゆっくりと、しまいには加速をつけて崩壊していく。しかし、私は他の人が言うように、彼女は精神的に空っぽの存在ではないと思う。りりこは恐ろしいほどに本当のことがわかっている。自分の栄華が長続きしないこと、自分を欲する大衆が飽きっぽいことなどを十分に認識している。その恐怖に対して死に物狂いで挑む様に私は惹きつけられた。
敵役の検事が評するように、りりこほどタフな女はいないだろう。彼女の生き方は鮮やかな花火のようだ。そして、自分の欲望に忠実で、しかし本当に欲しいものは得られない悲惨な存在でもある。彼女は自分が孤独な存在であることもよくわきまえてそれで弱さも見せるが、絶対に屈服しない。「びしょぬれの同情なんかいらないだとしたら無視されるか笑いものになった方がまし」という言葉はほんとうにすごい。
悲惨で切ない物語。ヘタに救いや慰めを与えていないことで、より凄みが増している。読まなきゃよかったと思うほど。読んでいる間もそう思うのですが、途中でページをめくる手を止められないのは、作者の力量と、他人の不幸は見ないではいられないゲスな人間の性のせいか。
とにかく傑作、こんな駄文や多言は必要なし。読んで戦慄すべし。
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