全体的にもう少しピリッとした引き締めがあったなら一流の映画になっただろうな、という印象が残る。とはいえ一見の価値はある映画だと思う。
後半に繰り返される戦闘シーンは非常に迫力満載。そのリアルな戦闘の有り様は戦うことの悲惨さや愚かさ、またそれに関わらざるを得ない各人の悲哀すら感じさせて秀逸。また砂漠の中を行進する情景は過酷な状況がひしひしと伝わってきて、あらためて中国の雄大な自然の一端に触れた思いがした。
クライマックスで使われるCGは評判が芳しくないようだが私は別に悪いとは思わなかった。むしろああいうふうに収めるならば、インディジョーンズばりにもっと華々しくしたら良かったのに‥と思う。
この映画のもう一つの見どころは、俳優陣の演技。抑えた演技の中にもそれぞれの個性が光っている。特に敵方の頭領安を演じるワン・シュエチーが、実にいい味を出している。彼の存在がこの映画のスパイスになっているように思う。
そして主役の李演じるチアン・ウエンも、なかなか寡黙なキャラなのだが”いい男”を見事に滲ませていて、ヒロインが彼に惹かれていく気持ちも分かる。(ちょっと年の差が有り過ぎるような気もするが・・。)
中井貴一も準主役的なキャストで、キャラクター的には感情の見えにくい設定なのだが、最後の最後まで熱演して存在感を示している。