始まりは1988年のジョン・ウォーターズ監督のカルト的映画。
その後ブロードウェイでミュージカル化され、トニー賞で作品賞、主演女優賞、主演男優賞などに輝いた。今回、新たにミュージカル版を映画化したのがこの作品である。
これが素晴らしい出来で、滅多にない事なのだが舞台版より良いと思う。
差別に対する重たいテーマだが、全てがウィットに富み重さ感じさず明るく楽しい。全ての登場人物がキュートで魅力的。人と違うとゆう事は、どれほど貴重で素晴らしい事か。
映画館で見終わった後、思わずスタンディング・オベーションしそうになった。
今作がデビューのニッキー。オープニングの遠景ショットから始まる“Good Morning Baltimore”から見事な歌を聞かせてくれる。なんとも気持ちの良いオープニングだ。久々のミュージカル映画出演となるジョン・トラヴォルタの「母親役=エドナ」も話題のひとつ。X-MENのジェームス・マースデンはこんなに歌えるなんて知らなかった。クイーン・ラティファの公民権運動を連想させる魂の歌、クリストファー・ウォーケンの父親像、ディズニーチャンネルのTV映画『ハイスクールミュージカル』でブレイクしたザック・エフロンの清々しい魅力、ミシェル・ファイファーのヒールぶり・・・等など。どこを取っても魅力満載だ。
振付もいい。アダム・シャンクマン監督は元々ダンサー・振付家で今作では自ら振付もしている。
踊れる為、映像のテンポが素晴らしいのだ。テンポはミュージカルでは重要。舞台であれば踊りだけではない、舞台装置や転換までも音楽に乗っていないと高揚感が出ない。ミュージカル映画であれば映像が音楽に上手く乗っていないとミュージック・ビデオみたいになってしまう。リズム感・テンポ感のない監督は大抵それで躓いている。作品のテーマ・脚本・スコア・衣装・振付・キャスト等、全てにおいて近年稀に見る傑作となっている。
やや質感に欠ける感はあるが、発色も良く、色彩の豊かさを堪能できるトーンになっている。
バラエティに富み、広がりを感じるサウンドは、これぞミュージカル映画の醍醐味。
ラスト、圧巻の“You Can’t Stop the Beat”で気持ちよく〆た後は、充実した特典も楽しんで頂きたい。充実の特典ディスク、Picture in Picture機能(♪見ながら解説♪)で本編を再生しながら小窓で見る製作秘話も高く評価したい。
ダンスレッスンで振付を覚えたら踊りたくなるはず。
隔離ではなく融合を最高のキャスト、ナンバー・ダンス・脚本を以って高らかに謳うBlu-ray『ヘアスプレー』。これは間違いなく今期No,1のお奨め。