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9 人中、8人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
ソリッドなのに、余韻は暖か!,
By cobo "コボ" (東京都杉並区) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: プールサイド小景・静物 (新潮文庫) (文庫)
いろいろあるのですが、女だけの(母と娘姉妹の3人)一家に現れた指圧療法を行う60近い歳の牧師をめぐる、末娘からみた母との関係(黒い牧師)や、自分が養子に出されたり、知らない家に預けられたりする事を幼い子供が自身の視線で観察する話し(紫陽花)とか、母の日を記念して行われる講演に出席する私と母の慌ただしい戦争中の団欒の話し(団欒)とか。しかし、中でもやはり表題作の「プールサイド小景」は絶品です。幸せに見える家族の本当の姿や、その生活に潜んでいた闇の部分をえぐり出して、さらに俯瞰してみせる!私の言葉にしてしまうとチープな感じになってしまいますが、ホントに素晴らしい作品です。 どれも素晴らしい放り投げた終わらせ方であるにもかかわらず、暖かな余韻があり、尚且つ、もう一度直ぐに頭から読み直したい欲求にさせます!終わらせ方の切り口がものすごくソリッドなのに、余韻は暖か。
3 人中、3人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
「生活らしい生活」,
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レビュー対象商品: プールサイド小景・静物 (新潮文庫) (文庫)
この文庫本には、「舞踏」「プールサイド小景」「相客」「五人の男」「イタリア風」「蟹」「静物」の七編の短編が収められています。中でも最初の二編は、かなり切実で衝撃的に訴えかけてきました。 そのキー・ワードは、「プールサイド小景」に登場する「生活らしい生活」と言う言葉だったような気がします。 のんびりとぼんやり過ごす、いつものありきたりの生活と言うことでしょうか。 そんな何にもない「生活らしい生活」にも、「守宮(やもり)」が棲みついていると「舞踏」の冒頭で語ります。 この「守宮」とは「家庭の危機」です。 作者は、これらの作品の中で「生活らしい生活」を規範にしているようですが、その裏にある無為や荒涼とした生活から、「守宮」がもたらす変化や自由に飛び立とうとする心との葛藤があるように思えます。 そこには「相客」にあるような戦争体験と言うものが裏にあるのかも知れません。 「相客」では、戦争が終わってようやく「生活らしい生活」に戻った兄が、戦犯として引っ張られ、その「生活」から再び引き離されます。 この短編集から感じることは、単調で無為に思える「生活」にこそ、人間として生きることの原点があるのだと語っているようです。
20 人中、15人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ゆっくり読みたい本,
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レビュー対象商品: プールサイド小景・静物 (新潮文庫) (文庫)
第三の新人と呼ばれた世代の中心人物の短編集.大昔の国語の教科書に氏の「ザボンの花」が載っていましたね.未だに現役と記憶しています.表題作「静物」は隙のない傑作のように思えます.若くしてこのような作品を書いてしまうというのは本当にすごいことです.昔の人の思慮深さを感じます.まさしく国語の授業で勉強するようにゆっくり噛み砕きながら読みたい本です.そのせいか,集中力が必要です.ひとりで(勿論,読書はひとりでするものですが),静かに読みたい作品です.僕の思い入れかも知れませんが,昭和の時代,その時代の家族を感じる作品たちです.昔の小田急沿線の雰囲気ですかね.
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