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15 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
選手論、指導論、そして野球の現在と未来,
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レビュー対象商品: プロ野球の一流たち (講談社現代新書 1941) (新書)
なんとタイムリーな本だろう。今年の後半戦で埼玉西武ライオンズが西鉄ライオンズ時代の復刻ユニフォームを着ることとなり、豊田泰光氏がその感激ぶりをしみじみと語る映像がテレビで流れた。西鉄ライオンズのことはリアルタイムでは知らないが、「三原マジック」「神様仏様稲尾様」など西鉄ライオンズの逸話は「伝説」として多くの人に知れ渡っているところだ。 本書では一流の野球人・選手の思想や技術を本人のインタビューなどを通して考察したものだ。おそらく雑誌の記事をまとめたのではないかと思うが(事実は不明)、スポーツ誌に載っていると目を引きそうなものが多い。それぞれがちょっと短いのが残念だが、登場人物のエッセンスはきちんと捉えられている。話の引き出し方のうまさはさすがは二宮氏だ。 登場するのは野村克也、中西太(稲尾和久)、土井正博、大野豊、仰木彬などかつての名選手・名指導者。そして、松坂(東尾修氏による)、清原、新井、渡辺俊介、山崎武司、工藤、古田など、旬の選手や人物である。後半では、プロ野球選手のメジャー流出やアメリカ野球(WBC、薬物、日米の野球経営の差)、裏金問題、高野連と特待生問題、独立リーグなどについて著者ならではの考察が述べられている。 圧倒的におもしろいのはインタビュー部分だ。自分のことに述べたところだけではなく、「名選手が見たほかの名選手」という視点は本当におもしろい。とくに野村氏(配球論・采配論)・中西氏(打撃論・稲尾氏のこと)・土井氏(打撃論)の奥行きの深さには感嘆するしかない。名監督だけでなく、名選手と言われた人たちがいかに頭が良いかを再認識させられる(こういったところでも、長嶋茂雄はやはり「何も考えていない」と言われる。やはり別格の天才なのか)。著書の多い野村氏はすでに広く知られている内容かもしれないが、多くの強打者を育てた中西氏の打撃論は人をうならせるものがある。野球をやっていて打撃を上達させたい人にも大いに参考になるだろう。 本書は野球の技術論やプロ野球論が好きな人にはたまらない1冊である。とくにオールドファンは懐かしさとともに、かつての名選手の凄みを再確認することができ、何度も読み返したくなるかもしれない。後半のやや凡庸なプロ野球論などは置いておいて(ただし、高野連批判はなかなか痛快)、前半のインタビューや選手論だけでもじゅうぶん楽しめ、読む価値があると思う。
3 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
清原和博の「番長化」の必然,
By 柴犬太郎 (大阪市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: プロ野球の一流たち (講談社現代新書 1941) (新書)
鋭い評論で知られるスポーツライターの著書。球界の名人たちを取材した野球好きのための本です。 野村克也監督の配球学から、中西太氏の打撃指導論に始まり、濃密な野球論が繰り広げられている。これらではインタビュアーとしての著者の力量が発揮されており、名人たちの持論が縦横に語られる。 著者のスポーツライターとしての力量が発揮されているのは清原和博選手に関する記事「清原和博は大打者か」。様々な角度から清原和博という打者を考察している。全体としては厳しい論調であるが、清原ファンにも読ませる、力のある文章である。 内角攻めに苦しんだ清原に単純に同情するのではなく、その打撃の傾向とその才能ゆえの器用貧乏さ、そして「内角」を克服せずに、2000本安打、500本塁打を達成したことの必然として「死球王」としての清原が語られる。 西武時代の清原が、内角攻めの結果、死球に合い、相手投手にバットを投げつけた事件は鮮明に私の頭に残っているが、その事件を踏まえて、清原の「番長化」の必然が語られる。 私の記憶では、PL学園、常勝西武の4番、日本シリーズでの涙、、、の清原はいつから「番長」になったのか、定かでなかったが、それが、必然であるとの指摘には驚かされた。
5つ星のうち 5.0
野球の「一流」について、様々な観点から鮮やかに斬る,
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レビュー対象商品: プロ野球の一流たち (講談社現代新書 1941) (新書)
本書は、『本』(講談社)に連載された「新日本野球紀行」を元に再構成し、大幅な加筆修正を加えたものである。 本書で扱われている内容は、野村克也、中西太、大野豊等といった 監督や投打の一流の野球観を示すことに加え、松坂大輔、清原和博、 工藤公康、渡辺俊介、山崎武司、古田敦也等といった、一流の(当時) 現役選手の凄みを前半で示している。 そして後半では、日本人プロ選手のメジャーリーグ移籍やアメリカ 野球の品格、裏金問題や高野連の問題点、四国アイランドリーグに 代表される独立リーグについて等々、様々な視点から幅広く野球に ついて書かれている。 構成としては、著者のインタビューによる取材がもとになっており、 要点をつき、必要に応じ整理し、非常によくまとめられている。 不必要な注釈や文言を入れずに、選手や監督の言葉を上手く提示し ているので、その「一流の凄み」が上手く伝わってくる。 また、著者の深い洞察や知識、そして高い取材力をもとにし、例え ば高野連の問題点等を鮮やかに気持ちがいいくらいに「斬って」いる。 著者の選手への思いも、文面から伝わってくる部分もあり、特に、「怪物」 と称され、常に陽のあたる道を歩んできた清原和博氏がプロで活躍し、 そしてケガに泣き、大いに苦悩する選手生活を送ることになったことに 対しての分析は、引退を迎えた今読んでも的を射た見事なものである。
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