囲碁・将棋の名棋士の著した"人生哲学本"は好んで読んでいます(※)。どの棋士も違った人生を送っているので違った表現にはなりますが、"充実した人生を送るための心構え"というものは極めて普遍的だなぁと気付かされます。そしてそれは勝負師の世界だけでなく他の分野(ビジネス、科学、...)でも十分通用する話だと思います。
本書からも、面白い人生法則を今までとは違った切り口で学ぶことが出来ました。小学校時代に「ほぼオール1」で劣等感の塊だった著者が、如何にして囲碁界のトップ棋士に登りつめるに至ったか、その波瀾万丈の半生を振り返りながら、その過程で体得した"人生観"が分かり易く書かれています。特に、大局観を磨き 勝ち続けるための「八つのK(感動、繰り返し、根本から考える、工夫を加える、感謝、健康、根気、虚仮(こけ)の一念)」は、けだし名言です。考えるプロならば、この言葉通りの人生を送っている筈です。ただ「勉強している」と思っているうちは本物ではなく、「感動に出逢っている」「心に沁みる」というレベルまで到達して本物、という訳です。また「碁には答えというものが用意されていない。(中略) しかし、答えのないものを考え続ける習慣が人間を強くする」という言葉は、人生や社会でも同じことが言えますね。他にも色々と面白い言葉が見つかりますので、探してみて下さい。私は著者の人生を変えた中村天風氏の著作にも当たってみようと思いました。
(※)「人間における勝負の研究」「人生一手の違い」「運を育てる」(米長邦雄)、「決断力」「簡単に、単純に考える」(羽生善治)、「人生、意気に感ず」(藤沢秀行)、「勉強の仕方−頭がよくなる秘密」(米長・羽生)、「戦いはこれからだ」(米長・藤沢)