内容紹介
「お前じゃ無理だ。苦労するのは目に見えている…」
プロ入りを熱望する僕に、親父はそう言った。
名選手、名将の子としてこれまで、
ヤクルト、阪神、巨人、楽天とプレーしてきた著者が、
父子の知られざるエピソードとともに、その苦悩を初めて明かす。
著者の現役選手時代は、「監督の息子だから……」という視線のなかで、
自分の居場所を獲得していく戦いでもあった。
常に、名選手の子という色メガネで見られ、
試合で活躍できなければ「親父にひいきをされている」と叩かれ、
活躍すれば「カツノリの活躍がチームに不協和音を生む」などと叩かれる。
なかなか正当に評価されることもなく、ときには事実無根の報道にも悩まされる。
そういったなかで著者はどのように葛藤し、這い上がっていったのだろうか。
2度の戦力外通告、つまり「プロ失格」の宣告をどう受け止めてきたのだろうか。
現在務めている巨人軍二軍バッテリーコーチの経験とともに、
球界でも定評のある自身のコーチ論、指導論にもあわせてふれる。
ヤクルトへの入団が決まったあと、
「息子だからといって特別扱いはしない。覚悟しておけ」
と父は告げ、そのとき以来、「監督」と「選手」の関係となった父子。
その親子の、これまで表に出なかった人間ドラマに、
名将・野村克也の素顔も垣間見える1冊。
著者について
1973年生まれ。東京都出身。父は元楽天監督の野村克也。堀越高校をへて、明治大学入学。93年、東京六大学野球で首位打者と打点王の二冠を獲得。
95年、捕手としてドラフト3位でヤクルト入団。正捕手の古田敦也がいるなか、主に代打で起用される。
99年オフにトレードで阪神に移籍。04年、巨人に移籍。その1年後、戦力外通告。トライアウトを受け、2打席連続ホームランを放ち、楽天に拾われる。06年は自己最多となる56試合に出場するも、右肩の故障と成績不振を理由に現役を引退。
07年から楽天の2軍育成コーチ、1軍バッテリーコーチをへて、10年より巨人の2軍バッテリーコーチに就任。
父譲りの「野球学」には定評があり、指導者としての評価は高い。