レビュータイトルで間違えないで欲しいのは「売れる、人気作家になるための本」ではないということ。まず作者自身が別にとんでもないバケモノ作家で、今なお前線で活躍している人間ではない。だからワッと売れて専業作家になる志しの人間にはあわない。この本はあくまで新人賞で少なくとも予選通過を一段階を上げる手引きでしかない。
そしてこの本に向く人間は、SF,ミステリーといった硬派向けの人間だろう。人気のライトノベル新人賞には向かない。なにせ「学園物はだめ。非日常ではない」といい、全面的に否定している。学園物ならばどうするかという指導もしない。だが最近のライトノベル新人賞は「現代学園物、主役は10代」なんて指定さえある。もし作者の教えに従うなら、ライトノベルの賞はまず取れないだろう。よって乱歩賞などを狙う人間に向くと言える。
読む上にあたっての注意事項は、作者自身も述べているが、選考者と一般読者の感覚はずれていて、必ずしもこの本の指導が正しい小説だとは言えないことである。おそらく市場に出れば売れるお客様目線な内容も、選考者の一般からハズれた感覚によって落とされてしまう。というただ応募していているだけでは気づかない内容を突っついてくれる。その感覚のずれを認識するための本であるといえる。
なので、タイトルのとおり、新人賞を狙うための本であって、それ以下でもそれ以上でもないということである。