プロレス暗黒の時代を切り取った興味深いノンフィクションです。
ノアの地上派打ち切り、WJ倒産の悲劇、藤波の退職金訴訟など生々しい題材を取り上げて、プロレス界の問題点を検証しています。
ノアのケースでは、若手を押しつつもベテランに頼ってしまうアングルの不可解さなど成る程なと思えましたし、WJにいたっては1ヵ月で貸付金1億円を使い切ってしまう長州・永島体制の杜撰な経営感覚にビックリしました。プロレス界低迷の原因としてレスラーのみならず、フロントの人材難の側面が指摘されています。
その他、トラブル続きの安田忠夫選手の近況も、取材を交えて描かれており、カシン・猪木などとの交流は何か温かいものを感じさせて、「あぁ、プロレスってやっぱいいなぁ」と思わせるものがあります。
プロレスとはリングのみならず、その背景も含めて楽しむエンターテイメントだと思いますので、こういった生々しい現実もリングを楽しむ方策として興味深く読ませて頂きました。