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1 人中、1人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
どんでん返しが心地よい。,
By 野原ひろし (埼玉県春日部市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド) (単行本)
著者のものを読むのは、『TOKYO BLACKOUT』(2008)以来です。同書はスピ−ド感がある反面、登場人物の彫 りが浅く、ストーリーテリングとしてはいまひとつでした。し かし本書は疾走感はそのままに、主人公らのキャラクター に陰影が加わった分、読み応えがあるものになりました。 有能なハッカーが国際舞台で活躍という躍動感に溢れ た筋立てと起伏に富んだ結構は、服部真澄の初期作品 を思い出させます。ただし、筆致はそれよりずっとドライで、 一方で権力の情報操作の巧緻化・巨大化など閉塞感が 強まって、全体を包むトーンは悲観的なものになっている ような気がしました。 分量は302頁と手頃で、暑い夏を乗り切る一服の清涼 剤になると思います。 <付記> 著者が、現在最も旬のサスペンス作家のひと りであることは間違いないでしょう。ただ『迎撃せよ』そし て『タワリング』と、いわゆる下げのところに奇をてらい、 全体の印象が薄いものになっている気がします。濫作の 弊害を恐れます。もう少し筆を矯めたらいかがでしょう。 (2011/10/18)
7 人中、5人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
ハッカー精神が溢れる傑作,
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レビュー対象商品: プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド) (単行本)
天才ハッカーを主人公とした本格的なハッカー小説(ハッカー小説なんてジャンルがあればだけど)。大学時代、ハッキングで逮捕され、3年の服役後、今は平凡なプログラマとして生活している「プロメテ」。そんな彼が逆にFBIにスカウトされ、対サイバーテロ組織の一員として活躍するという話。 著者の福田和代氏はSEの経験があるということなので、この辺のシステム周りの話は得意なんだろう。読んでいてもコンピュータやシステムに関する知識の豊富さが窺われ、それがこの小説にリアリティを与えている。 しかし、この小説の本質は、ハッキングの技術の披露にあるのではない。作品の中でも、ハッキングの場面は何回か出てくるけど、それほど細かい技術の描写はない。ハッキング好きにはそこがちょっと物足りないところだけど、むしろ、ハッカーらしさは、そこにあるのではない。詳しくは書けないが、「情報は自由になりたがる」というハッカー精神がこの小説のメインテーマなのだ。 決して、ハッカー(この場合はクラッカーと言うべきか)を礼賛するつもりはないけど、その精神には惹かれるものがある。そういう意味で、この小説は正統なハッカー小説なのだ。 面白かった。
5つ星のうち 4.0
テンポがいい,
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レビュー対象商品: プロメテウス・トラップ (ハヤカワ・ミステリワールド) (単行本)
更生した(?)元天才ハッカーがが主人公の物語。ジャンル はミステリになるのか。ストーリー的には、主人公の青年が怪しげな事件を受けた(受けざるを得なかった)ところから、FBIだとか、サイバーテロをたくら む組織だとかの闘いに巻き込まれていく、というストーリーで、特別に目新しいところはない。むしろ、王道というか、スタンダードな話の流れだと思う。しかしながら、非常にテンポがよく、読みやすい。そもそも連作ミステリという形をとっているため、各章毎に話が完結している。そのため、だらだらと続かず、むしろ もっとじっくりやってもいいのではないか、というくらいにあっさりとしている。また、物語の展開上、コンピュータへのハッキングだとか、そういった方面の 話がよく出てくるが、あまりに専門的過ぎる記述にならずに、特にそちら方面の知識がなくても、充分に楽しめるようになっているところもよいと思う。ストー リー的にも、善対悪というような単純な構図でもなく、考えさせられる点もいろいろある。 ボリューム的に、或いは、主人公の性格描写など、全体としては、ちょっと物足りなさも感じるが、それらを割り引いても、充分に読んで楽しめる作品だと思う。
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