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プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実
 
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プロメテウスの罠: 明かされなかった福島原発事故の真実 [単行本]

朝日新聞特別報道部
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

朝日新聞のルポルタージュ連載記事の書籍化。福島原発事故による放射能汚染は、なぜこれほど多くの被害者を生んだのか。政府、官僚、東京電力、そして住民。それぞれに迫った、気鋭の取材記者たちの真実のリポート。

内容(「BOOK」データベースより)

史上最悪の放射能汚染はなぜ起こったのか官僚・政治・東電の罪を問う。

登録情報

  • 単行本: 269ページ
  • 出版社: 学研パブリッシング (2012/2/28)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4054052347
  • ISBN-13: 978-4054052345
  • 発売日: 2012/2/28
  • 商品の寸法: 19 x 13.5 x 2.5 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (22件のカスタマーレビュー)
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117 人中、106人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
 我が家は原発爆発以来、朝日新聞の購読をやめました。夕刊で「最悪の事態の覚悟を!」とあおったかと思えば、放射能がいかに安全かを強調する記事が載るなど、事故直後の朝日はちぐはぐで、おかしな記事ばかり目につきました。おそらく朝日新聞社内も混乱していたのでしょう。この本を読めばわかるように、当時パニックになっていたのは人々ではなく、東電であり、官邸であり、マスコミそのものでした。

 この連載は関係者一人一人に取材を重ね、原発事故をいろいろな観点から検証した、いい意味での朝日らしい記事になっています。とくに、普段は明かされることの少ない官僚達の行動に対して、「誰が何を行ったか」をしっかり名前入りで報道したことには意義があると思います。とくに第三章「観測中止令」は官僚の人々の考えがよくわかる好記事です。官邸ばかりか日本の官僚機構、企業が機能停止状態にあることが見えてきます。そのほかの記事もすべて読み応えがありました。この本と「官邸から見た原発事故の真実 これから始まる真の危機 (光文社新書)」、飯館村村長の「美しい村に放射能が降った 〜飯舘村長・決断と覚悟の120日〜 (ワニブックスPLUS新書)」を読めば、いろいろな角度から、あのとき強烈に感じた違和感の正体が見えてきます。

 しかしながら、なぜ原発事故直後に取材し、すぐに報道できなかったのでしょうか? 日刊紙の役割とは半年後に事故を検証することでしょうか。「国民に不安を与えるから」「パニックになるから」と事実を伝えなかった責任はマスコミにはないでしょうか? すくなくとも当時の朝日新聞は、政府の情報をただ横に流すことしかできず、独自の取材記事をほとんど見かけることはなく、結果として正しい情報を伝えることができていませんでした。まずは、そのことに対する反省が欲しいと思いました。連載は継続しているとのことですから、今後自身の報道に対しても検証していただくことを希望します。
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45 人中、37人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
同名の朝日新聞連載を書籍化したもの(2012年2月途中分まで)。
連載時は興味深く、楽しみに読んでいたが、書籍としてまとまって読んでみると、荒削りな面や欠点も目についた。
しかし、それでも、いずれ編まれるべき「オーラルヒストリー(口述による歴史)福一」への第一歩となる内容であり、朝日新聞の面目躍如と評価できる。

<欠点>
・他の書評子に評価が高いのが第6章「官邸の5日間」。それには大いに同意するが、例えば福島からの避難者や、首都圏での低線量被曝への怯えについて描いた章は必要だったのか。歴史事象として見たとき、情報量は膨大であるし、民間でのことは大新聞以外でも書くことはできる。政策的な意思決定過程にしぼって取材してもよかったのではないか。
・大事な事、ショッキングなことがかなり書かれているが、しかし、どうも取材した結果、特ダネと判断したものを五月雨的に載せているように感じる。事件全体を俯瞰して、時系列や重要性に応じて配置していったという印象は受けない。すなわちキュレーション(情報の取捨選択)がなされていない。例えば、外務省の若手官僚が米軍にSPEEDI情報を流す場面が印象的に描かれているが、官僚の活動を実際に描いている部分はごく僅かだ。この件以外にも官僚がキーとなる意思決定をしていたことはいくらでもあると思う。
・官邸vs官僚vs東電としてみた場合、かなり菅首相寄りの記述をしている。事故調査委員会の報告書は、菅首相の指揮ぶり(知り合いを内閣参与に任命する反面、官僚のレクを退けた)をかなり痛烈に批判している。

<良い点>
・ともかくも政府の公式発表や、翌日の新聞ではわからない生々しい営みが明らかになったのは大きい。例えば、東電の清水社長が経産相に福一撤退を申し入れたとき、吉田所長は総理に電話で「まだやれます。ただ、武器が足りません」(この場合の武器はポンプや電源車のこと)。総理が福一の現場に行った時には吉田所長は「(ベントを)決死隊を作ってでもやります」。
・菅首相について言えば、官僚や東電から情報が上がってこない(首相の方で拒絶したのか、官僚側の不手際かは私にはわからないが)状況で、しかし、少なくとも、福一放棄という最悪の事態は首相の強い意志で食い止めたとのことだ。官房長官や経産相まで含めて、一時は官邸全体が撤退やむなしという雰囲気になったという。それを食い止めたリーダーシップをきちんと描いたのは良かった。

政府の意思決定以外では、SPEEDI情報が生かされなかった顛末、放射能観測予算の停止と復活の顛末、東電の責任と低線量被曝のリスクについて、などのトピックが扱われている。
連載時に興味をもった人はもちろん、原発事故について感心のある方には一読をおすすめしたい。
このレビューは参考になりましたか?
52 人中、41人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By moomoos
Amazonが確認した購入
 『第六章 官邸の5日間』が必読です。
 緊迫の5日間がみごとに再現されています(全面的に信用してはいけないと思いますが)。
 菅総理(以下、当時の肩書)や福山哲郎副官房長官などの官邸関係者は積極的に取材に応じたらしく、直筆の菅ノートや福山ノートの写真までちらっと掲載されています。
 菅総理は朝日新聞のこの連載を読んで新事実を知るということもあったようです。
 例えば、保安院の緊急時対応センターがSPEEDIで独自の避難計画案を作っていたこと(70頁)。

 菅総理のせいでベントが遅れたという説がありますが、本書を読む限り、菅総理自身は早くベントするよう、東電を急かし続けています。
 福島原発視察に行った際もその件で怒鳴っていた様子を、記者クラブ代表として同行していた共同通信の津村一史も聴いてるようです(238頁。「聴いた」と明確に書いてるわけではないが、その場にいた者として名前が上がっている)。

 そして、東電が全面撤退を申し出たか否か。
 東電は取材拒否なので政府側の言い分だけになりますが、複数の官邸関係者がそう証言してますし、内閣危機管理監の伊藤哲朗(元警視総監)は東電幹部(匿名なのは何故)との会話をはっきり覚えており、本書にその会話が書いてあります(258頁)。
 ちなみに現時点では、この件について、政府の事故調査・検証委員会は「政府の勘違い」、民間の福島原発事故独立検証委員会は「全面申し出は事実」と見ています。

 最後に『第三章 観測中止令』について。
50年以上続く気象庁気象研究所の放射能観測の予算が、福島原発事故の後の3月末に突然全額カットされたのですが、民主党の森ゆうこが救世主として現れ、予算は復活するのです(好きではない議員だけど、よくやってくれました)。
 この一連の経緯がいかにも官僚の世界っぽいので読む価値ありです。
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