サービスサイエンスに象徴されるように、21世紀の技術開発は、従来の自然科学的なアプローチだけでなく、質的アプローチが重要となる。質的研究の重要な手法の1つが「プロトコル分析」である。本書は技術者が「プロトコル分析」を勉強する際に手頃な本であると思われる。
本書は、理論編、方法編、実践編の3部構成である「プロトコル分析」を使うためには、方法編と実践編を読めば十分であるが、理論編で。「麻薬(「おわりに」で原田氏が言及)」のような「プロトコル分析の危うさ」について理解することは重要であろう。理論編の最後には、「プロトコル法を使用する際の注意点」として6項目が挙げれれている。
方法編と実践編で、初学者にも「プロトコル分析」の概要と利点が理解できる。特に、実践編でワープロやコピー機などの製品の使い易さ(ユーザビリティ)評価へのプロトコル分析事例が示されており、技術者にとっては馴染みやすい。ただ、実際に自分でプロトコル分析の実験を行うには、更なる文献調査が必要であろう。
1993年に発行以来、版を重ねている本であり、定番の教科書と言えるだろう。