「overture」が流れる中ブロードウェイのネオンサインが浮かび上がると、懐かしのMGMミュージカルファンの胸は高鳴る。「opening night」で期待は膨らみ、主役2人の冒頭のやり取りで期待は確信に変る。「we can do it」でミュージカルの楽しさが心に甦り、「I wanna be a producer」で監督・振り付けのS・ストローマンのセンスの良さが感じられて嬉しくなってしまう(特にレオが横滑りで画面に出てくるところなんか心憎い)。そしてカルメン・ギア役のR・バートの小指の立て具合、ぎっくり腰、それに何と言っても「YES」の「S」音伸ばしで私のお腹は悲鳴をあげる一歩寸前…。そして女装のG・ビーチの登場で…「あゝ、こりゃ堪らん!」状態…。後はM・ブルックスが「出てけっ!」と我々に引導を渡してくれるまで、笑いとセンスの良い音楽とダンスに身を任せるだけ。
サントラ盤を買おうと思うほど素晴らしい音楽があるわけでもなく(とは言え、とても心地よい曲揃いです)、我が愛するF・アステアの至芸のダンスがあるわけではないが、間違いなく1級品のミュージカルコメディです。ソーセージを頭に載せたショーガールなんて、映画の中の観客ではないが「口がポカーン」と開いてしまう品の悪さですが、それもまた良し!こんな楽しい下品さならいくらでもどうぞ。余談ですが、「springtime for Hitler」を唄ってた男前のお兄ちゃんは「五線譜のラブレター」でC・ポーターの名曲「night and day」を唄っていた人ですか?あゝとにかくDVDの到着が待ち遠しい。